【事例3】探究的な物理基礎の授業(未実施)常翔学園高等学校 田村直宏
今年度高校1年の物理基礎を担当する可能性があった。その場合、1年間かけて探究的に物理基礎を授業したいと思い、2月から準備をしていた。残念ながら高校3年生の物理を担当する事となったため、次年度以降に持ち越しとなった。実施には至らなかったが、探究的な授業の構想をここに共有したいと思う。
<準備物>
物理基礎全範囲の授業動画
<ねらい>
「授業づくり」を通じて、物理基礎の内容をきちんと理解する事、問題集を解けるようになる事、他の生徒たちに理解してもらう構成を作る事、分かりやすく伝える表現力を磨く事、などなど多くの力を身に着けてもらいたい。そして、グループ内での対話を通じてし、協働的に取り組む経験もしてもらいたい。また、3学期に行う実験に主体的に取り組み、考察する力もつけてもらいたい。
<実施計画>
1学期
第5部「物理と私たちの生活」の授業を教員が行う。教員が黒板の前で授業をするのはここだけで、物理基礎を理解した先に、どのような応用があるのかをまず、生徒に伝える。
次の時間に物理基礎全体の流れを説明した後、8つにグループ分けし、それぞれの担当する部署を決める。出来る限り、「物理と私たちの生活」の中で興味を持った範囲を担当できるように配慮する。
各グループが担当する範囲の授業動画を視聴し、お互いに教え合ってその部分を理解する。
そしてその範囲の授業案を作成する。その際、普通の授業のスタイルの半分の時間で授業できる案を作る。
教員は各グループがその範囲を理解できるサポートに回り、授業案の作成の援助を行う。
夏休みの課題
授業案の完成(必要であれば、教員とオンラインで連絡をとり合う)
2学期
生徒による授業と単元テスト
3学期
授業と単元テストの続きと自分たちでテーマを選んで行う実験
実験レポートの作成
学年末テスト(物理基礎全範囲)
生徒どうしで授業を行うことにより、集中してお互い取り組めるため、1学期を準備期間として使っても、残りの期間で物理基礎の全範囲を終える事ができると考える。
うまく行くかどうかは分からないので、次年度に実施できればその結果を報告したいと考えている。
なお、物理基礎の全範囲の動画化は、2月中に終えていた。そのため、新型コロナによる休校期間中のオンライン授業では、この動画が非常に役に立った。